南アルプスの山麓を走る大井川鐡道。静岡県島田市の金谷駅から本川根町にかけて大井川沿いの山間をSLが走ることで知られています。本線終着駅の千頭駅からは急峻な山岳地帯の井川線(千頭―井川駅間)となり、赤い箱型の列車がアブト式と呼ばれる方法で渓谷を縫うように井川駅まで走ります。その井川線で星空を眺める列車「星空列車」が10月18日から2026年3月1日までの土日祝日(年末年始および2月11日を除く)に運行されます。

≪目次≫

  1. 星空列車とは
  2. 見どころ
  3. 詳細
  4. 蒸気機関車C10形8号機の運行も再開

1.星空列車とは

星空列車は大井川鐡道が2017年から運行しているイベント列車で、今年は10月18日から来年の3月1日の期間の土日祝日に運行されます。ただし、年末年始と2月11日の祝日は除くということです。井川線の始発駅である千頭駅から奥大井湖上駅までを普段は通らない夕方から夜にかけて特別ダイヤで運行し、夜間の特別な雰囲気を味わいつつ奥大井湖上駅で約1時間にわたり星空観察をすることができる列車です。

2. 見どころ

奥大井湖上駅は長島ダムのダム湖である接岨湖に突き出た尾根の突端に位置していて周辺には民家もないことから秘境駅として知られ、昨今は奥大井恋錠駅などとも呼ばれて恋愛がかなう駅としてカップルが訪れるスポットにもなっている駅です。奥大井湖上駅のある本川根町は全国で2番目に星空がキレイに見える町として知られ、周辺に人工灯のない奥大井湖上駅からは湖に囲まれた幻想的な雰囲気の中、よりキレイな星空を観察することができます。

3. 詳細

星空列車は千頭駅を17時20分に出発、18時25分に奥大井湖上駅に到着します。奥大井湖上駅のホームやホームの上にあるログハウスで60分間、星空を観察した後、奥大井湖上駅を19時21分に出発し千頭駅に20時21分に戻ってくるものです。乗車するには星空列車特別乗車券が必要で料金は大人1940円、小人(小学生)970円。荒天時は運転が中止されるほか、天候によっては星空が見えないことがあります。乗車券購入などの詳細は大井川鐡道HP(https://daitetsu.jp/)を参照ください。

4.蒸気機関車C10形8号機の運行も再開

蒸気機関車C10形8号機の整備が終了し、C10形8号機がけん引する急行「かわね路号」、急行「南アルプス号」の運行が11月21日から再開されます。黒いボディに白い蒸気、C10形8号機の力強い走りが大井川に戻ってきます。秋から冬へ移り変わる沿線の景色とともに、SL旅をお楽しみください。